昔からニアピン賞が多かった ~ギフ探索(オールド)~
2016年 01月 02日
色々思い起こしてみた中からブログ開設前の探索で当時としては珍しくギフチョウを求めて
彷徨ったときのお話でも。
当時(10数年ぐらい前)は完全に単独での探索でポイント情報はゼロ、仲間もゼロ。
図鑑に載っている物凄く粗い地名ぐらいしか頼るものがなくネットもほとんど使えない
状況でした。蝶の習性とか細かい発生時期がどうとかそういうのが全く頭にない時代ですね。
車で行動し始めた時期で、東京住みの自分としては山に行けばなにか珍しいのいるでしょ!
ぐらいの感覚でした(笑)
そんな自分がなぜ急にギフチョウだったのか思い出せないんですが恐らく当時ウスバシロチョウを
初めて採集し、その同類項としてのギフチョウが気になったんじゃないかと推測してみました。
さて当時の自分が潜り込んだ場所は宮ケ瀬湖の西側を流れる川を遡った先の尾根でした。
図鑑だけが頼りで何も分からず全くもって闇雲に走った末に迷い込みました(^^)
途中、林道脇に車が数台駐車している場所があり、釣り場所とは違うし今思えばそこはポイントで
先輩方に話でも聞かせてもらえば良かったんでしょうが当時はそんな考えもなかったんですね(探索時期
としては間違ってなかったんだ)。
道路脇に駐車して山に入れそうなところを探していると獣道がありとりあえず登ってみることに。
これでもかと言うほど成長した杉林の急な斜面をしばらく進むと急に明るくなって所々にツツジが
満開でなんかいい感じになってきました。他の蝶類はどうだったかというと、当時未採集だった
ミヤマセセリやコツバメの標本が残ってないのでたぶんいなかったか見落としていたか。
明るい尾根をさらに進むとほどほどに空間があり、両脇にはツツジが満開で今にもギフチョウが
絡みそうな状況でしたが何往復かしてみたものの一向に飛び出さないのでそそくさと下山してしまいました。
今なら朝からポイントへ入り食草探しを含めてもう少し広範囲を歩いて環境を把握し
昼過ぎまではじっくりと勝負するでしょうが当時の自分には無理な注文ですね(^^)
しかしこの周辺って恐らくはほとんど放蝶なんでしょうが噂が出ては消える地域で当時この周辺で
採れていたポイントは今の自分が知る限りでは4~5ヶ所あったようなので、たまたま潜り込んだ
あの尾根でも十分に可能性はあったように思います。
今でも最盛期に歩いてみるとワンチャンスあるかも!?
さてこちらの個体は60年代の神奈川ギフです。頂いたモノですがこの時代ですから
他地域の遺伝子は混ざってないと思います。
展翅が「昔の標本だなぁ…」ってな感じだったし(それはそれでヴィンテージの味なんですが)
高さも全然低いので再展翅を試みてみました。初めての行為によくこの個体でやったなと
我ながら思うわけですがなんとか破損せずに無難な形におさまりました。しかし毛の処理がどうにも…。
カリカリの古い標本がフニャフニャになるのってなんか変な感覚…
展翅次第でイメージはいくらでも変わってしまいますね。丁寧にやっただけ
それが標本から伝わってくるので手は抜けません。展翅してるときってたぶん
人生でもっとも集中してる時間で間違いないかと(笑)